弁護士への相談・依頼の仕方~不安に思うことにぶつかったとき

こんにちは、弁護士の奥田です。
今日は「弁護士への相談・依頼の仕方 ~不安に思うことにぶつかったとき~」という題でお話をしたいと思います。
弁護士に相談した方がいいんじゃないかな、弁護士に相談したいんだけどどうすればいいかな、ということを思われたときに、どうすればいいかということを話したいと思います。

まず「相談」

弁護士に相談、あるいはその先の依頼をするにあたっては、まずこの最初の取っ掛かりは、当該弁護士の先生にお会いになる、あるいは最近だとZoomだとかそういうオンラインで相談を受け付けてくれるところもありますけれども、まずこの相談をするということになります。
この場合、費用というのは基本的には相談料だけです。かかる費用というのは基本的には相談料だけということになります。この相談料がどのくらいなのかというと、これはいろんな先生によって違うんですけれども、通常の感覚でいうと、個人の方の相談の場合で、通常30分で税別5000円から1万円程度ではないかなというのが実際のところだと思います。これも相談は事前に電話をかけたりして予約しますので、そのときに確認をされたらいいと思います。「30分おいくらですか?」とかそういう形で確認をされたらいいと思います。ですので弁護士のところに行っていくら取られるかわからないということは、そこで心配される必要はなく、事前にきちんと確認をして、通常この程度の金額ですのでそんなに構えることはないかなと思います。
このときに、あらかじめその相談の内容などをメモにしていただいたりとか、相続の相談だったら家系図のようなメモをお作りいただくとか、あるいは時系列のメモをお作りいただくとかですね、そういうふうにしていただくと時間の節約にもなると思います。
それから、人によっては弁護士に相談をすると何か大事になるんじゃないかと、身内の問題なのに弁護士なんかに相談するとたちまち大変なことになるんじゃないかっていうことを心配される方もいますけれども、相談だけの場合には、弁護士はトラブルの相手方に連絡をしたりなどは基本的にはしませんし、もっと言えば弁護士には守秘義務(秘密を守る義務)というのがありますので、この相談内容を外に漏らすということは基本的にはない、ということになります。ですので要するに、こっそり相談できる。身内のプライベートな問題・微妙な問題についても、弁護士に相談したということ自体、基本的には相談者以外、相談者と弁護士以外には知られることはないということになりますので、弁護士に相談したからといって大事になるということはない、ということになります。

次に「依頼」

次に、相談では解決できない場合に、依頼をするかどうかという段階になります。
この”依頼をする”というのは、弁護士との間できちんと「委任契約書」という契約書を作って、それで正式に依頼をするということになるわけですけれども、その場合には弁護士費用がかかってくる、ということになります。
弁護士費用の決め方はいろいろあるんですけれども、典型的なパターンとしては、最初に着手金という形でお金をいただいて、最後に報酬金。うまくいった度合いに応じて報酬金をいただくという方式。
それと他には、タイムチャージの方式。1時間2万円とか5万円とかそういう形で、その案件にその弁護士がかけた時間によって料金が発生するということもあります。
ここも依頼をするときの委任契約書の中できちんと明らかにしてもらって、その上で依頼をするということになります。
それからあとは実費ですね。事件にかかる切手代だとか印紙代だとかこういったものもかかりますけれども、あくまでもこの弁護士費用というのは依頼の段階に進んだ場合のお話です。ですのでよく弁護士費用が高額になるとかいうのは、この依頼の段階での話になります。

「相談」→「依頼」

ですので、まずは相談をしてみてそれで解決できない場合に依頼に進む、ということになります。相談だけでもう解決しちゃうというケースも多くあります。ですので、相談したからといって必ず依頼をしないといけないとかそういうのは全くありませんし、それから、いろんな弁護士に相談してみて良さそうな先生に依頼するということもできます。

「相談」は早く

なのでまず、「相談」というのは早く相談されるということが非常に重要かなと思います。
理由としては、まず早い段階では選択肢が多いんですよね。そうすると、一番お金がかからずに、一番早く、一番うまく解決できる選択肢を相談によって教えてもらえることが多い。これは早ければ早いほど選択肢が多いわけですので、そういうことになります。
それから2番目ですけれども、相談というのは費用は比較的少額ということになります。30分で5000円から1万円税別という程度ですので、弁護士代が高くて大変だ、何十万何百万もかかりました、ということは、少なくとも相談の段階では想定できない話になりますので、費用のこともそんなに心配せずに相談に行っていただくことが可能だと思います。
それから3番目ですね。ストレスの軽減になる。法的な問題に直面してもう夜も眠れないとか、ああであろうかこうであろうかということをいろいろご自身で考えてネット検索して一喜一憂するよりも、まずはやっぱり相談をして、解決策をきちんと弁護士から示してもらうことで、このストレス軽減に繋がる部分も非常に多いかなと思います。これは決して馬鹿にできないところでして、トラブルを抱えている方の場合、そのトラブル自体で大変なことになるケースというよりも、それに派生して、心配のあまりお酒を飲みすぎちゃって飲酒運転で事故起こしちゃうとか、そういったケースのほうが結構多いんじゃないかなという気さえします。ですので早く相談して早くストレスから解放されるということでも、早い相談というところに意味があるんじゃないかなというふうに思います。
ですので、まず心配なことがあったら遠慮せずに弁護士に相談してみるということがいいと思います。そんな相談したら弁護士から怒られるんじゃないか、笑われるんじゃないか、とかいうことを心配される方もいるんですけれども、少なくとも私は、相談をされて怒る先生だとか、相談をされて笑う先生を聞いたことはありませんので、その点は安心して相談に行かれたらいいんじゃないかなと思います。
今日の話は以上です。

著者プロフィール


奥田貫介 弁護士

おくだ総合法律事務所 所長
司法修習50期 福岡県弁護士会所属
福岡県立修猷館高校卒
京都大学法学部卒