③ 納税・納付金の猶予制度等に関する情報(新型コロナウイルス)
目次
1 税務申告・納付期限の延長
2 国税の猶予制度
3 地方税の猶予制度~福岡市の場合~
4 厚生年金保険料等の猶予制度
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Table of Contents
1 税務申告・納付期限の延長
概要
昨今の新型コロナウイルス感染症の各地での拡大状況に鑑み、更に確定申告会場の混雑緩和を徹底する観点から、感染拡大により外出を控えるなど期限内に申告することが困難な方については、期限を区切らずに、4月17日(金)以降であっても柔軟に確定申告書を受け付けてもらえるようになりました。
従来 | 対応策 | |
申告所得税
(及び復興特別所得税) |
令和2年3月16日(月) | ①4月16日(木)まで期限を延長
②4月17日(金)以降であっても柔軟に確定申告書を受付
※②の場合は、申告書右上の余白に、「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記載する形で税務署へ申し出れば、申告期限延長の取扱いをしてもらえます。 |
個人事業者の消費税
(及び地方消費税) |
令和2年3月31日(火) | |
贈与税 | 令和2年3月16日(月) |
2 国税の猶予制度
概要
新型コロナウイルス感染症の影響により国税を一時に納付することが困難となった方のために、1年間、国税の納付を猶予することができるようになります。
担保の提供は不要です。
⑴ 対象者
個人法人の別、規模は問わず、①②いずれも満たす者。
①新型コロナウイルスの影響により、
令和2年2月以降の任意の期間(1か月以上)において、事業等に係る収入が前年同期に比べ概ね20%以上減少していること。
②⼀時に納税を行うことが困難であること。
※「⼀時に納税を行うことが困難」かどうかの判断について、財務省によれば、「少なくとも向こう半年間の事業資⾦を考慮に入れるなど、申請される方の置かれた状況に配慮し適切に対応します。」とのことです。
⑵ 対象となる国税
〇令和2年2⽉1⽇から同3年1⽉31⽇までに納期限が到来する、
所得税、法人税、消費税等ほぼすべての税⽬(印紙で納めるもの等を除く。)
〇これらのうち、既に納期限が過ぎている未納の国税(他の猶予を受けているものを含む。)についても、遡ってこの特例を利⽤することができます。
⑶ 猶予の内容
〇原則、1年間猶予が認められます。
(状況に応じて更に1年間猶予される場合があります。)
〇猶予期間中の延滞税の全部又は一部が免除されます。
〇財産の差押えや換価(売却)が猶予されます。
⑷ 申請手続の流れ
① 申請期限
関係法令の施行から2か月後、または、納期限(申告納付期限が延長された場合は延長後の期限)のいずれか遅い日まで
② 申請書
※書式は、財務省において準備中
その他必要資料として、収入や現預金の状況が分かる資料。
③ 申請書の提出先
管轄の税務署
3 地方税の猶予制度~福岡市の場合~
※本店が他の市にある事業主の方は、別途お問い合わせください。
概要(福岡市HPより抜粋)
新型コロナウイルス感染症に納税者(ご家族を含む。)がり患された場合のほか、新型コロナウイルス感染症に関連するなどして市税の納付が困難な場合には、納税を猶予する制度が設けられています。
⑴ 市が例示として公表している対象ケース
・新型コロナウイルス感染症の患者が発生した施設で消毒作業が行われたことにより、備品や棚卸資産を廃棄した場合
・納税者ご本人又は生計を同じにするご家族が病気にかかった場合
・納税者の方が営む事業について、やむを得ず休廃業をした場合
・納税者の方が営む事業について、利益の減少等により、著しい損失を受けた場合
⑵ 猶予の内容
〇原則、1年間猶予が認められます。(地方税法第15条1項)
(状況に応じて更に1年間猶予される場合があります。)
〇財産の差押えや換価(売却)が猶予されます。
⑶ 申請手続
窓口:各区役所納税課または財政局特別滞納整理課
4 厚生年金保険料等の猶予制度
概要
厚生年金保険料等を一時に納付することにより事業の継続等を困難にするおそれがあり、一定の要件に該当する場合、厚生年金保険料等について「換価の猶予」「納付の猶予」を受けられます。
⑴ 対象者
ア 換価の猶予
以下の全てに該当する方
① 厚生年金保険料等を一時に納付することにより、事業の継続等を困難にするおそれがあると認められること
② 厚生年金保険料等の納付について誠実な意思を有すると認められること
③ 納付すべき厚生年金保険料等の納期限から6か月以内に申請されていること
④ 換価の猶予を受けようとする厚生年金保険料等より以前の滞納又は延滞金がないこと
⑤ 原則として、猶予を受けようとする金額に相当する担保の提供があること
イ 納付の猶予
以下の全てに該当する方
① 次のいずれかに該当する事実があること
・財産について災害を受け、または盗難にあったこと
・事業主またはその生計を一にする親族が病気にかかり、または負傷したこと
・事業を廃止し、または休業したこと
・その事業につき著しい損失を受けたこと
※「著しい損失」とは、申請前の1年間において、その前年の利益額の2分の1を超える損失(赤字)を生じた場合をいいます。
② ①の該当事実により、納付すべき厚生年金保険料等を一時に納付することができないと認められること
③ 申請書が提出されていること
④ 原則として、猶予を受けようとする厚生年金保険料等の金額に相当する担保の提供があること
⑵ 「換価の猶予」「納付の猶予」の内容
〇 財産の差押や換価(売却等現金化)が猶予されます。
〇 原則、1年間猶予が認められます。
(状況に応じて更に1年間猶予される場合があります。)
〇 猶予された金額を猶予期間中の各月に分割して納付することになります。
〇 猶予期間中の延滞金の一部が免除されます。
⑶ 申請手続の流れ
① 申請期限
納付困難となった厚生年金保険料等の納期限から6か月以内
② 申請書
「換価の猶予申請書」
※添付資料
・財産収支状況書 (猶予を受けようとする金額が100万円を超える場合は「財産収支状況書」に代えて「財産目録」及び「収支の明細書」が必要)
・担保の提供に関する書類(猶予を受ける金額が100万円を超える場合に必要)
③ 申請書の提出先
管轄の年金事務所
④ 担保の提供
原則として、猶予を受けようとする金額に相当する担保の提供が必要です。
※ただし、100万円以下である場合/猶予期間が3か月以内である場合/担保として提供することができる財産がないと年金事務所が確認した場合は、担保を提供する必要はありません。
以上の他にも、業種・事業規模によって猶予制度を受けられる場合があります。
以上