Q. レストランを経営していますが、食中毒を出すことなどによって高額の損害賠償をしなくてはならないか心配です。損害賠償をする費用をどのように準備すればよいのでしょうか?
A. レストランで食中毒を出してしまった場合、顧客に生じた損害を賠償する責任を負うことがあります。このような事業者の業務などが原因となる事故によって第三者に対する法律上の賠償責任を負う場合に、事業者が負担する賠償金の支払などを填補する保険を、「賠償責任保険」といい、様々な種類があります。
製造物責任法などの法律が制定されたことにより、被害者の保護が手厚くなった反面、事業者は損害賠償の責任を負う機会が増えていますから、万一のために、賠償責任保険への加入を検討してはいかがでしょうか。こうした保険には、弁護士費用などについても支払われるものがありますから、お気軽に弁護士にご相談ください。
1 賠償責任保険
顧客との間に発生するトラブルは、事業の経営につきものです。
例えば、レストランで食中毒を出してしまった場合、顧客に生じた損害を賠償する責任を負うことがあります。損害賠償する範囲は、事案により異なりますが、治療費、慰謝料、裁判費用などが含まれ、被害者が多ければ、非常に高額となることがあります。
このような事業者の業務などが原因となる事故によって第三者に対する法律上の賠償責を負う場合に、事業者が負担する賠償金の支払などを填補する保険を、「賠償責任保険」といいます。
2 賠償責任保険の種類
「賠償責任保険」には、次のようなものがあります。
(1)施設所有管理者賠償責任保険
お店の看板の留具が腐食していたために看板が落下し、通行人にケガをさせてしまった場合などに適用できます。
(2)請負業者賠償責任保険
建設工事の作業中に足場架設用鉄パイプが落下し通行人にケガをさせてしまった場合などに適用できます。
(3)受託者賠償責任保険
修理工場で預かった自動車を移動させた際にぶつけて損壊した場合などに適用できます。
(4)生産物賠償責任保険
製造または販売した製品が安全性を欠いていて、利用者にケガや病気をさせてしまった場合などに適用できます。
3 賠償責任保険の重要性
製造物責任法などの法律が制定されたことにより、被害者の保護が手厚くなった反面、事業者は損害賠償の責任を負う機会が増えています。
例えば、レストランで食中毒を出してしまった場合、調理(加工)した料理(製造物)を顧客に提供(引渡)し,これに含まれていた毒素(欠陥)により,料理を食した顧客を食中毒に罹患させた(身体を侵害した)として、損害を賠償する責任を負うことがあります。
事業者は、損害賠償責任を負わないよう工程管理や検査など安全性の確保と向上に一層努力することが重要ですが、万一のために賠償責任保険への加入を検討してはいかがでしょうか。
こうした保険には、弁護士費用などについても支払われるものがありますから、法的な問題への対応にも安心です。万一、顧客とのトラブルでお困りでしたら、当事務所にご相談ください。